執筆:地方移住ナビ編集部最終更新:2026-04-16

松本市への移住完全ガイド|住みやすさ・家賃・支援制度【移住スコア76点】

松本市の移住スコア76点。1LDK家賃5.3万円、18歳まで医療費無料。北アルプスを望む城下町への移住をデータで徹底解説。

北アルプスを望む松本市は、リモートワーク移住者に最も人気の高い地方都市のひとつです。東京から特急2.5時間、家賃は都内比40%以下、子ども医療費は18歳まで無料という圧倒的な子育て環境が揃います。一方で、冬の積雪・寒さと車必須の生活は覚悟が必要です。この記事では実際のデータをもとに松本移住のリアルを解説します。

松本から望む北アルプスの山並み
松本から望む北アルプスの山並み — 写真: Ray Swi-hymn from Sijhih-Taipei, Taiwan (CC BY-SA 2.0) / Wikimedia Commons

松本市の移住スコア76点の内訳

松本市は生活コスト・自然・子育ての3軸で特に高い評価を得ています。

自然(95点):北アルプスを望む圧倒的な景観が日常になります。上高地・乗鞍高原・安曇野など全国屈指の自然観光地が市の周辺に広がります。ただし冬は積雪35日、最低気温マイナス5.8℃と厳しい寒さが続きます。

生活コスト(88点):1LDKが約5.3万円、2LDKが約7.2万円と都内比40〜50%安い水準。地元農産物の直売所が充実しており食費も抑えられます。ただし車必須のため月2〜3万円の維持費と、冬の暖房費・タイヤ交換費が加算されます。

子育て(78点):子ども医療費が18歳まで無料は全国でも最高水準。長野県の教育熱心な地域文化も後押しし、子どもの育ちやすさは高評価。直近の保育所等待機児童は7人(2025年4月)と少ないです。

交通(55点):東京まで特急「あずさ」で約2.5時間(定期代月9.9万円)。新幹線がなく在来線の本数も少ないため、市内移動はマイカーが事実上必須。免許・車なしの生活は困難。

仕事(60点):観光・精密機器・製造業が主要産業。リモートワーカーの移住先として人気だが、現地転職の選択肢は限られます。

松本駅そばのフラワークロック公園
松本駅そばのフラワークロック公園 — 写真: Drivephotographer (CC0) / Wikimedia Commons

松本市の家賃・生活コストのリアル

e-Stat令和5年住宅・土地統計調査(長野県木造住宅)による家賃相場:

間取り家賃目安東京23区比
1K約3.8万円約52%
1LDK約5.3万円約52%
2LDK約7.2万円約48%
3LDK約9.5万円約46%

月間生活費の目安は単身で約12万円、夫婦で17.8万円、3人家族で24万円。東京から移住すると単身で月8〜10万円程度の節約になる計算だが、車の維持費(任意保険含め月3万円程度)が必ずかかることを忘れないようにしましょう。

住むエリアの選び方

  • 松本駅周辺:徒歩で生活できる唯一のエリア。家賃はやや高め
  • 中山・岡田エリア:松本城周辺の落ち着いた住宅街。家族向け
  • 島内・島立エリア:ショッピングセンター近接で買い物が便利。ファミリー人気
  • 梓川・波田エリア:上高地へのアクセス良好。農家直売が充実
松本城・国宝に指定された現存天守(航空写真)
松本城・国宝に指定された現存天守(航空写真) — 写真: 国土交通省 (Attribution) / Wikimedia Commons

松本市の移住支援制度まとめ

「UIJターン就業・創業移住支援事業補助金」:

  • 単身:最大60万円
  • 世帯(2人以上):最大100万円
  • 18歳未満の帯同:1人あたり加算

テレワーク区分:移住前と同様の業務をテレワークで継続、週20時間以上(原則として恒常的に通勤しないこと)が条件。

子育て支援:18歳まで医療費無料(福祉医療費給付金)、保育所待機児童7人(2025年4月)。

移住者がよくハマる失敗と対策

失敗1:冬の積雪を甘く見る 年間降雪日数は35日、最低気温はマイナス5〜10℃になることも。毎朝の雪かき、タイヤチェーン着脱、凍結路面の運転は日常的な作業になります。移住前に必ず冬季の現地滞在で体験することが必須です。

失敗2:車なしで生活しようとする 松本駅徒歩圏以外は車がないと事実上生活が成立しません。スーパー・病院・子どもの送迎すべてが車前提の設計になっています。移住前に運転免許取得と車の購入資金を準備しておきましょう。

失敗3:特急あずさの通勤コスト計算を忘れる 東京↔松本の特急定期代は月9.9万円、年間で約118万円。新幹線ほどではないが決して安くありません。移住を機にフルリモートへの移行、または現地転職を真剣に検討する必要があります。

松本〜小淵沢の車窓から広がる景色
松本〜小淵沢の車窓から広がる景色 — 写真: Syced (CC0) / Wikimedia Commons

松本移住1年目の光熱費実例と断熱等級別シミュレーション

松本移住の最大の誤算になりがちなのが、冬の暖房費です。東京とは段違いのコストがかかり、物件の断熱性能で2倍以上の差がつきます。

冬期(12〜3月)の月別暖房費実例

住居タイプ12月1月2月3月冬期合計
築30年木造アパート(断熱等級1相当)2.5万円4.2万円4.0万円2.2万円12.9万円
築15年マンション(断熱等級2〜3相当)1.8万円3.0万円2.8万円1.6万円9.2万円
築3年新築戸建(断熱等級5相当)1.0万円1.8万円1.7万円1.0万円5.5万円
ZEH・断熱等級6〜7住宅0.5万円1.1万円1.0万円0.6万円3.2万円

※エアコン+灯油ファンヒーター併用、家族3人・延床90㎡前後を想定した目安

この差の意味

築古アパートとZEH住宅では、冬期4ヶ月で約10万円の光熱費差が出ます。通年では約12万円、10年住めば120万円の差になります。家賃が月2〜3万円安いアパートを選んでも、10年で家賃差額30万円を光熱費差120万円が上回る、という逆転現象が起きます。

物件選びの実務チェックリスト

  • :樹脂サッシ+Low-E複層ガラス以上が理想です。アルミサッシ単板は避けましょう。
  • 断熱等級:4以上(2022年以降の新築基準)を目安。中古は「断熱改修済み」と明記されているか確認。
  • 暖房設備:全館空調・床暖房・蓄熱暖房・薪ストーブのいずれかが標準装備されていると冬期の快適性が段違い。
  • 玄関・廊下の温度差:内見時に玄関と居室の温度差を体感します。ヒートショック予防の観点から、温度差が5℃以内に収まる住宅が望ましいです。
  • 屋根断熱:松本は降雪地域のため、屋根断熱と雪荷重対策が整っていない物件は長期メンテナンス費が膨らみます。

実費削減のテクニック

  • 灯油ファンヒーターの給油は地元のSS(ENEOSウイング・コスモ石油等)の配達契約で単価が10〜15%下がる
  • 電気料金プランは「季時別電力」に切り替えると深夜電力が安くなる(蓄熱暖房機使用時)
  • 断熱リフォームには長野県の「信州健康ゼロエネ住宅」補助金が使える(新築・改修両対応)

まとめ:松本市への移住はこんな人に向いている

「北アルプスを望む自然豊かな環境で子育てをしたい、フルリモートワーカーの家族世帯」には国内でも最高クラスの移住先です。子ども医療費18歳まで無料・移住補助金最大100万円・安い家賃の三拍子が揃います。ただし冬の雪かきと車必須の生活を受け入れられるかどうかが、移住成否の最大の分岐点になります。