執筆:地方移住ナビ編集部最終更新:2026-04-16

那須塩原市への移住完全ガイド|住みやすさ・家賃・支援制度【移住スコア74点】

那須塩原市の移住スコア74点。新幹線70分で東京直結、1LDK家賃3.9万円。那須高原・温泉が日常になる農的暮らし移住先をデータで解説。

那須塩原市は「那須高原と温泉が生活圏にある」という移住先として、自然志向の強い移住者から高い人気を集めています。東北新幹線で東京まで約70分(定期代月10.1万円)、家賃は1LDKが3.9万円という安さ、農地・広い庭付き物件が豊富——。ただし冬の積雪(年55日)と車必須の生活は覚悟が必要です。

那須塩原の紅葉
那須塩原の紅葉 — 写真: Raita Futo from Tokyo, Japan (CC BY 2.0) / Wikimedia Commons

那須塩原市の移住スコア74点の内訳

自然(90点):那須岳(活火山)を間近に望む雄大な自然環境が圧倒的な強み。那須湯本・塩原温泉郷が生活圏内にあり、農地・果樹園も多く農ある暮らしへの移行がしやすいです。夏は最高気温28.8℃と涼しく(真夏日年28日)、熱帯夜がほぼない快適さがあります。

生活コスト(88点):1LDK約3.9万円、2LDK約5.7万円という安さは全掲載都市の中でも最安水準。那須地域は農業が盛んで地元産の野菜・米・乳製品が安価に入手できます。ただし新幹線通勤費(月10.1万円)を加算すると総コストが上昇する点に注意。

交通(70点):東北新幹線「なすの」で東京まで約70分。都内通勤しながら那須塩原に住む移住者が増えているが、市内の公共交通は限定的で日常生活には自家用車が必須。

医療(65点):那須赤十字病院をはじめ市内に複数の医療機関があるが、高度医療は宇都宮市(約60km)まで移動が必要。専門医療のアクセスには不安が残ります。

子育て(70点):18歳まで医療費助成を実施。ただし待機児童は28人(2025年4月)と多め。保育の受け皿整備は続いているが、早めの申込手続きが必要です。

山々を彩る那須の秋
山々を彩る那須の秋 — 写真: Raita Futo from Tokyo, Japan (CC BY 2.0) / Wikimedia Commons

那須塩原市の家賃・生活コストのリアル

e-Stat令和5年住宅・土地統計調査(栃木県・市内係数0.95)による家賃相場:

間取り家賃目安東京23区比
1K約2.6万円約35%
1LDK約3.9万円約38%
2LDK約5.7万円約38%
3LDK約7.8万円約38%

月間生活費の目安は単身で約9.9万円、夫婦で14.4万円、3人家族で15.8万円と全掲載都市で最も低い水準。新幹線定期代(月10.1万円)を加えた実質的な総支出は単身で約20万円と考えておきましょう。

住むエリアの選び方

  • 那須塩原駅周辺:新幹線通勤に便利。商業施設・スーパーも集積
  • 西那須野エリア:那須温泉郷へのアクセスが良く農的暮らし向き
  • 塩原温泉郷周辺:温泉が日常になる理想のロケーション。冬の積雪多め
  • 黒磯エリア:那須高原の入り口。移住者コミュニティが活発
那須「清流の里」付近の自然
那須「清流の里」付近の自然 — 写真: 663highland (CC BY-SA 4.0) / Wikimedia Commons

那須塩原市の移住支援制度まとめ

栃木県のUIJターン移住支援金:

  • 単身:最大60万円
  • 世帯(2人以上):最大100万円
  • テレワーク区分:週20時間以上のリモートワーク継続が条件

市の移住促進センターで個別相談も可能。農業参入・起業・二拠点居住を目指す層への支援制度も複数用意されています。

子育て支援:18歳まで医療費助成、待機児童28人(2025年4月、早めの申込推奨)。

移住者がよくハマる失敗と対策

失敗1:冬の積雪を完全に舐める 年間降雪日数55日、最低気温マイナス5.2℃。松本より積雪日数が多く、本格的な雪国生活の準備が必要。毎日の雪かき、スタッドレスタイヤ、凍結路面の運転は絶対的な条件となります。移住前に必ず冬季の現地滞在(1〜2週間)で体感しておきましょう。

失敗2:那須岳の噴火リスクを把握していない 那須岳は現在も活動中の活火山で気象庁の噴火警戒レベル管理対象です。噴火時の火砕流・降灰リスクを理解した上で居住エリアを選ぶ必要があります。市のハザードマップで確認を。

失敗3:新幹線定期代と総コストの誤算 「家賃3.9万円×2 = 7.8万円」だけで生活費を計算してはいけません。新幹線定期代(月10.1万円)と車維持費(月3万円程度)を加えると月17万円以上が固定費になります。フルリモートワーカーには非常に魅力的だが、東京通勤を前提にする場合は総コスト計算を慎重に行いましょう。

那須塩原駅。東京駅まで新幹線で約75分
那須塩原駅。東京駅まで新幹線で約75分 — 写真: Douglas P. Perkins (CC BY 3.0) / Wikimedia Commons

那須塩原エリアの住み比較:那須塩原市・那須町・黒磯エリア

「那須高原に住みたい」という希望は、実は住所上で3つの選択肢に分かれます。この違いを理解しないと、期待と実態のギャップに苦しむことがあります。

1. 那須塩原市(黒磯・西那須野・塩原地区)

  • 東北新幹線「那須塩原駅」があり、新幹線通勤・出張のハブ
  • 人口11.4万人の市で、総合病院・中核商業施設(アクアス黒磯・ブレスパ塩原)が揃う
  • 家賃相場1LDK 3.9万円、中古戸建て2,000〜3,000万円帯で広めの物件が手に入る
  • 定住型の暮らしに最適で、移住1年目の拠点として推奨

2. 那須町(那須高原地区)

  • 行政区域が異なり住所は「栃木県那須郡那須町」
  • 標高500〜1,000mの高原地帯で、別荘・ペンション・ペット関連施設が集積
  • SHOZO CAFEを筆頭とする個性的なカフェ文化、手作りチーズ・ハム・ジェラートの名店
  • スーパー・病院までの距離が長く、車必須。冬は-15℃前後まで冷え込む本格高原気候
  • 冬の別荘地暮らしは水道凍結・除雪・通勤不便が常態化するため、移住1年目は推奨しない
  • 「セカンドハウス」「リタイア後の定住」に向く

3. 黒磯駅周辺(那須塩原市内)

  • 那須塩原市の一角だが、独自の文化圏を形成
  • 近年カフェ・ベーカリー・セレクトショップが集積し「小さなカルチャータウン」として注目
  • 新幹線は那須塩原駅まで在来線で6分、新幹線定期代は那須塩原駅直近より若干安い
  • 若い移住者・クリエイターが多く、子育て世代のコミュニティも形成中

戦略的な選び方

移住1年目は「那須塩原市 黒磯駅徒歩15分圏」を拠点にし、1年かけて那須町の別荘エリアやペンション地区を体験します。2年目以降、気候と生活リズムに慣れたタイミングで、別荘地の中古物件購入やリフォームに踏み切る——このステップ移住戦略が最も失敗率が低いです。

いきなり那須町の別荘地を買って通年居住を始めるパターンは、冬の厳しさ・通勤負担・孤独感で3年以内にUターンするケースが少なくありません。

まとめ:那須塩原市への移住はこんな人に向いている

「那須高原・温泉・農的暮らしを日常にしたいフルリモートワーカー、または農業・移住起業を目指す人」に最適な移住先です。特にセカンドライフとして温泉付き物件・広い庭で過ごしたい50〜60代には国内でも屈指の移住地となります。冬の積雪を楽しめる(または許容できる)かどうかが移住成否の最大の分岐点。